
すべての人が利用できる温泉施設でありたい
日本における「温泉文化」は、単なる入浴体験を超え、心身を癒やし、人と人とをつなぐ大切な文化的財産です。旅行先での温泉は、その土地の魅力を体感し、地域の歴史や文化に触れる場でもあります。しかしながら、これまでの温泉旅館の多くは、段差や狭い通路、車椅子での移動の難しさなど、バリアフリーという観点では十分ではありませんでした。
私たちホテル玉之湯は、「すべての人が利用できる温泉施設でありたい」という願いを胸に、施設やサービスの改善を重ねてまいりました。単に「不便をなくす」だけでなく、「誰もが快適に楽しめる空間」を整えることこそが、本当の意味でのバリアフリー温泉であり、これからの旅館の在り方だと考えています。
さらに、現代の宿泊施設には「持続可能性」という大きな課題があります。環境保全、地域社会との共生、エネルギーの選択。これらを避けては、未来に続く旅館経営はできません。当館では、再生可能エネルギーの利用をはじめ、サステナブルな宿泊施設としての取り組みも積極的に進めています。
バリアフリー温泉・宿泊施設としての玉之湯の取り組み
貸切露天風呂のバリアフリー対応
「温泉に入りたいけれど、大浴場では不安」というお声に応え、車椅子のまま利用可能な貸切露天風呂を整備しています。スロープや手すりを備え、家族や介助者と一緒に安心して湯浴みを楽しめる環境を用意しました。温泉は単なる癒しの場ではなく、心身のリフレッシュ、そして家族の大切な思い出づくりの場でもあります。
館内移動のしやすさ
館内の移動においては、段差を減らし、エレベーターや通路の幅を確保するなど、バリアフリーホテルとしての設計を意識しています。また、玄関からロビー、食事会場、客室への動線をできる限りシンプルにし、迷いやすい方やご高齢の方にも安心していただける空間を整えています。
食事会場での工夫
食事の場は滞在の大きな楽しみのひとつです。当館ではテーブルの高さや椅子の形状を工夫し、車椅子をご利用の方や足腰の弱い方でも快適にお食事を召し上がれるよう配慮しています。
体験談・お客様の声
当館にお越しくださったお客様からは、貴重なご意見や体験談をいただいています。
「従来のソファーではテーブルが低く、車椅子では湯茶が取りづらい。」
「車椅子ではなくても、足腰の弱い年配のお客様は一度座ってしまうと立ち上がるのに苦労する。」
こうした率直なお声は、私たちにとって大きな学びであり、改善のきっかけとなります。バリアフリーは「障がいのある方」だけのためではありません。高齢の方、小さなお子様をお連れのご家族、怪我や体調に不安のある方など、すべてのお客様に関わる課題です。
「誰にとっても快適な宿泊体験」を目指すため、私たちは一つひとつの声を真摯に受け止め、改善を続けています。
サステナブルな宿泊施設としての視点
グリーン電気の採用
当館ではすでに「グリーン電気」を導入し、使用する電力を再生可能エネルギーへと切り替えました。温泉という自然の恵みに支えられる宿だからこそ、環境に配慮した選択は欠かせません。
環境保全の工夫
連泊のお客様には、タオルやリネンの交換頻度を調整することで洗濯に伴う水資源やエネルギー消費を削減し、館内照明にはLEDを導入しています。また、ごみ分別の徹底や食品ロスの削減など、日常業務の中にも小さなサステナブルを積み重ねています。
地域との共生
地元産の食材を積極的に使った郷土料理の提供や、地元アーティストによるミニコンサートなどを通じ、地域と共に歩む宿を目指しています。観光業は地域社会と切り離せない存在であり、共に成長し、未来を築くことがサステナブル経営につながります。
他の施設にはない当館独自の工夫
「心のバリアフリー」を大切にしている点も当館の特徴です。設備だけでなく、スタッフ一人ひとりの気配りや心遣いこそが、快適な滞在を実現する最大の要素だと考えています。
段差をなくすだけでなく、声をかけるタイミング、車椅子の押し方、食事を運ぶ際の工夫など、細やかな対応を積み重ねています。こうした「心のサービス」は、目には見えませんが、お客様の満足度に直結する大切な部分です。
今後の展望
バリアフリーもサステナブルも、一度整えれば終わりではなく、常に改善と進化が求められる取り組みです。
「ご利用いただくお客様のご要望を伺いつつ、取り入れるべきは取り入れたい。」
これが私たちの基本姿勢です。実際にご滞在いただいた方からの声こそが、次の改善への指針となります。バリアフリー温泉・バリアフリー宿泊・バリアフリーホテルとしての歩みを止めず、未来の旅館像を描き続けたいと考えています。
ホテル玉之湯は、バリアフリーとサステナブルの両輪で成り立つ宿を目指しています。
「温泉は誰もが楽しめるものであるべき」という理念のもと、車椅子利用者、ご高齢の方、小さなお子様連れのお客様など、あらゆる方が安心してご利用いただけるバリアフリー温泉の実現を目指しています。
また、再生可能エネルギー「グリーン電気」の導入や地域社会との共生を通じ、サステナブルな宿泊施設として未来に続く取り組みを進めています。
私たちはこれからも、お客様の声に耳を傾け、環境にも人にもやさしいバリアフリーホテルとして成長してまいります。
ホテル玉之湯 内藤幸宏より


2025年10月5日


2025年10月5日


2025年10月3日


2025年9月30日
すべての人にひらかれた温泉を目指して ロビー応接セットを一新


2025年9月28日


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