松本 浅間温泉 ホテル玉之湯

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2025年10月24日
サステナの旅 ― カーボンニュートラル通勤 ―

歩いて感じる、松本のまちと季節の移ろい


季節の変わり目に感じる「空気の違い」

急に朝晩の冷え込みが強まりました。
浅間温泉のあたりでは、夜になると虫の声も心なしか控えめになり、空には澄んだ星が瞬きます。
当館でもいよいよ暖房への切り替えとなり、ロビーには少し早めのぬくもりが戻ってきました。
それでも日中はまだ穏やかな陽気に包まれ、館内の庭では紅葉前の青もみじがやわらかく光を受けています。

今年の夏は本当に暑かったですね。
松本も例外ではなく、連日35度を超える猛暑日が続き、私自身も通勤はもっぱら車に頼る日々でした。
しかし、ようやく秋の風が戻り、心地よい空気に包まれるようになると、ふと「歩くこと」を思い出しました。


車を降りて歩くという選択

車での通勤は確かに便利です。
重い荷物があっても、雨の日でも、快適に職場まで移動できます。
けれど、その便利さの裏で見えにくくなっていたものがありました。

ガソリンを燃やすことで発生する排気ガス、そして温室効果ガス。
日々の通勤という“当たり前”の行動が、地球に少しずつ負担をかけているかもしれない。
そんな小さな気づきから、私はできる限り徒歩通勤を心がけるようになりました。

もちろん毎日というわけではありません。
雨の日や重い荷物があるときは車を使います。
それでも「今日は歩けそうだな」と思える日は、靴紐をしっかり結んで、浅間温泉から市街地までゆっくり歩いてみるのです。


徒歩だから見える松本のまち

先日は、昼間の時間を使って松本の中心街・四柱神社まで歩いてみました。
貯めていた1円玉と五円玉を持ち、まずは途中の岡宮神社へお参り。
そこから女鳥羽川沿いの道を下り、蔵造りの町並みを抜けて四柱神社へ向かいました。

普段なら車で数分の距離。
けれど歩いてみると、まちの表情はまるで違って見えます。

・新しくできたカフェの軒先に、若いご夫婦がベビーカーを押して座っている。
・漆器のお店の前には、外国人旅行者がスマートフォンを構えて写真を撮っている。
・神社の境内では、修学旅行らしき中学生たちが笑顔で記念撮影をしている。

同じ場所なのに、歩くことで「時間の流れ」と「人の息づかい」を感じることができるのです。


環境への配慮と心の健康

徒歩通勤をはじめてみて気づいたことがもう一つあります。
それは、心と身体が驚くほど軽くなるということです。

朝、澄んだ空気を吸いながら坂道を下りると、頭の中が整理され、今日の仕事の段取りが自然と浮かんできます。
そして帰り道、夕暮れの街を歩くと、一日の疲れが少しずつほぐれていくような気がします。

環境のために始めたことが、結果的に自分自身の心の健康にもつながっている――
これが「サステナブル(持続可能)」の本質なのかもしれません。


「カーボンニュートラル通勤」という考え方

最近よく耳にする「カーボンニュートラル」という言葉。
これは、二酸化炭素の排出量と吸収量をプラスマイナスゼロにするという考え方です。

大規模な企業や自治体が掲げる取り組みとして知られていますが、実は私たち一人ひとりの行動にも深く関わっています。

たとえば、

  • 車通勤を週に一度だけ徒歩や自転車に変える
  • エコバッグを持参する
  • 地元の野菜を選ぶ
    これらの行動もすべて、カーボンニュートラルへの小さな一歩です。

私の徒歩通勤も、そんな「小さな挑戦」のひとつ。
一人の力は微々たるものでも、地域全体で積み重ねていけば、大きな変化を生み出すことができます。


歩いて感じる「地域資源」という宝

松本のまちは、歩くほどに発見があります。
古い町家をリノベーションした雑貨店、地元食材を使ったベーカリー、アートギャラリー、そして昔ながらの駄菓子屋。

これらはすべて「地域資源」です。
車では素通りしてしまう路地にも、地域の文化や人々の暮らしが息づいています。

観光客の方々に“サステナの旅”をご案内するとき、私はこうした「歩いて出会える松本」をもっと伝えたいと思うのです。
旅の中で車の利用を減らし、徒歩や自転車、公共交通を取り入れるだけで、旅の体験はぐっと深まります。


旅と暮らしをつなぐ「サステナの視点」

私たち宿泊業の現場では、どうしても“旅”と“日常”を分けて考えてしまいがちです。
けれど、本来サステナブルな旅とは「日常の延長線上にある持続可能な行動」のこと。
地球や地域に配慮した選択を、旅先でも自然にできるようにすることが大切です。

ホテル玉之湯では、再生可能エネルギーによる電力の導入をはじめ、
地元食材の積極的な活用やプラスチック削減などの取り組みを進めています。
その根底にあるのは、「宿も地域社会の一員である」という想い。

私自身も「カーボンニュートラル通勤」を通じて、宿の外でもサステナを実践していきたいと感じています。


徒歩の旅から始まる“新しい観光”

これからの旅は、ただ観光地を巡るだけではなく、
“地域の空気を感じる旅”へと変わっていくのではないでしょうか。

松本城や美ヶ原高原といった有名な名所だけでなく、
通勤や買い物の途中に見つけた「日常の風景」こそ、旅人にとっての特別な発見になることがあります。

四柱神社の境内で出会った修学旅行生の笑顔、
川沿いで写真を撮る外国人旅行者、
小さな花屋の前で立ち話をする地元の人たち――
それら一つひとつが、“松本というまちの物語”を紡いでいます。


「歩く」を通して広がるサステナの輪

徒歩通勤を続けていると、顔見知りが増えました。
「おはようございます」「いい天気ですね」と声をかけ合うことで、まちとの距離がぐっと近づきます。
これはエネルギーの消費を減らすだけでなく、人のつながりを増やす行動でもあります。

地域社会の絆を強めることも、立派なサステナブル活動。
“心の温かさ”というエネルギーが循環すれば、それもまた持続可能な社会の一部になるはずです。


これからの目標 ―「サステナの旅」案内人として

これからも私は、歩きながら感じた松本の魅力を少しずつ記録していこうと思います。
街の小さな変化、季節の香り、人々の笑顔。
それらを積み重ねることで、玉之湯として発信できる「サステナの旅の形」をつくっていきたいのです。

たとえば、
・徒歩10分圏内で楽しめる温泉街めぐり
・地元カフェやクラフトショップを巡るサステナウォーク
・四柱神社や女鳥羽川沿いの「エコ散歩マップ」作成
など、旅人が環境にもやさしく、地域にも触れられるプランを提案していけたらと考えています。


“歩く”ことは、未来への贈り物

歩くことで、見える景色が変わり、
感じる風が変わり、
出会う人とのつながりが生まれます。

そして何より、地球にも自分にもやさしい時間が流れます。

車社会の中で、歩くことは少し不便かもしれません。
けれど、その不便さの中にこそ、
ゆっくりと「自分と地域を見つめ直す時間」があります。

今日もまた、浅間温泉の坂道を下りながら、
松本の空を見上げて思います――
「サステナの旅は、日々の一歩から始まる」 と。

ホテル玉之湯 内藤幸宏より



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