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2025年5月4日
プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)とは?

プラネタリー・バウンダリーとは?

──地球の限界を超えてしまった私たちの暮らしと未来

「SDGs」や「カーボンニュートラル」という言葉が世の中に広がるなかで、私たちが本当に知っておくべきなのが「プラネタリー・バウンダリー(Planetary Boundaries)」=地球の限界という考え方です。

これは、「地球というシステムには“安全に人類が活動できる範囲”がある」という科学的な警鐘です。そして今、私たちはその限界をいくつも超えてしまっているという現実に直面しています。


そもそも「プラネタリー・バウンダリー」とは?

プラネタリー・バウンダリーは、2009年にスウェーデンのストックホルム・レジリエンス・センターが提唱した概念です。人間の活動が地球環境に与える影響を9つの分野に分け、「これ以上超えてはならない」という“地球の安全圏”を定めました。

9つの項目は以下の通りです:

  1. 気候変動
  2. 生物多様性の喪失
  3. 土地利用の変化(森林破壊など)
  4. 淡水の利用
  5. 窒素・リン循環の攪乱
  6. オゾン層の破壊
  7. 海洋の酸性化
  8. 大気中のエアロゾル(微粒子)負荷
  9. 新規化学物質の汚染(プラスチックや有害物質)

この中で、既に限界を超えた(=“危険水域”)とされる分野が7つもあることが、2023年の最新研究で明らかになっています。


すでに限界を超えている分野

気候変動

CO2濃度の上昇によって、地球の平均気温は産業革命前から約1.2℃上昇。異常気象や災害が頻発する今、私たちの日常にも影響が出ています。「1.5℃」という目標も、実現が厳しくなっているのが現実です。

生物多様性の喪失

動植物の絶滅スピードは通常の数十倍。昆虫や野鳥の減少は、農業や食糧生産にも大きな影響を与えます。

窒素・リン循環の攪乱

化学肥料や畜産から発生する窒素・リンが川や海へ流れ込み、「赤潮」や「死の海」を生んでいます。これは漁業や水資源の問題にも直結。

土地利用の変化

森林伐採、都市化、農地拡大により、地球の“緑”が急速に失われています。これは炭素吸収能力の低下、生物多様性の減少につながります。

新規化学物質の汚染

マイクロプラスチックや永続性有機汚染物質(PFAS)など、人間が生み出した有害物質が地球環境に蓄積され、分解も回収も困難になっています。


「限界を超える」とどうなるのか?

プラネタリー・バウンダリーが示すのは、“これ以上超えたら、地球の仕組みが元に戻らなくなる”というポイントです。例えるなら、それは体温40℃を超えた人間の体のようなもの。あるラインを超えると、回復が難しくなり、命を脅かす危険が迫るのです。

気温が2℃を超えれば、永久凍土がとけ、メタンが放出され、さらに気温が上昇する「負の連鎖」が始まるとされています。つまり、地球が“自己修復できない”状態になりかねないのです。


私たちの日常とどう関係があるのか?

「地球の限界」と聞くと、どこか遠い話に感じるかもしれません。でも、実際には私たちの暮らしがこの危機を引き起こしているのです。

  • 大量生産・大量消費(安い衣料品や使い捨て商品)
  • 車中心の生活とエネルギーの無駄遣い
  • 食品ロスや過剰な輸入食品の消費
  • 合成洗剤やプラスチック容器の多用
  • 電子機器や家電製品の“買い替え文化”

このような日々の積み重ねが、地球の限界をじわじわと押し広げています。


SDGsとの関係

実は、SDGsの17目標は、このプラネタリー・バウンダリーの課題と密接にリンクしています。

プラネタリー・バウンダリー対応するSDGs
気候変動目標13:気候変動に具体的な対策を
生物多様性の損失目標15:陸の豊かさも守ろう
水資源の危機目標6:安全な水とトイレを世界中に
化学物質汚染目標12:つくる責任 つかう責任

SDGsの達成は、地球の限界を超えないための「処方箋」と言えるのです。


今を生きるすべての世代にできること

この問題に年齢は関係ありません。10代の若者も、子育て世代も、シニア世代も、それぞれの立場でできることがあります。

  • 無駄なエネルギーを使わない暮らし方
  • 地元産の食材を選ぶ「地産地消」
  • プラスチックを減らし、リユースやリサイクルを実践
  • 環境や未来を意識した選択をする消費者になる

小さな行動の積み重ねが、未来を大きく変える力になります。


おわりに|限界の向こう側を見ないために

プラネタリー・バウンダリーの概念は、私たちが「どこまでなら大丈夫なのか」を示す最後の羅針盤です。

いま、私たちが選ぶ行動が、10年後、30年後の世界を決めます。「限界を守ること」こそが、「未来を守ること」。



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