安曇野の田園風景の中に、そっと寄り添うように佇む一対の道祖神があります。場所は、1975年に放送されたNHKドラマ『水色の時』のロケ地近く。地元の方々の手によって、静かに建立されたものです。ドラマの主演は、当時まだ若手だった大竹しのぶさん。思春期の繊細な心の揺...続きを読む

5月中旬、信州・松本の空にそびえる北アルプスの山々は、まだ白く雪をまといながらも、どこかやわらかな陽射しを浴びて静かにたたずんでいます。この時期ならではの凛とした美しさ。見上げるだけで、心がすっと澄んでいくのを感じます。けれど、ふとした瞬間に思うのです。この景...続きを読む

水田に張られた水鏡に、残雪をまとった北アルプスの雄大な姿が静かに映り込む——まるで一枚の絵画のような、心奪われる風景に出会いました。田んぼは、命が芽吹く場所。北アルプスは、信州が誇る大自然の象徴。この地で暮らす人々の営みと、悠久の自然が織りなす美しい調和。そん...続きを読む

信州の春がゆっくりと訪れる頃、森の奥にそっと顔を出す可憐な花があります。紫色のうつむき加減な姿が印象的な「カタクリ」の花です。かつてこの花の地下にある鱗茎（りんけい）から粉を採り、「片栗粉」として使われていました。現在では、片栗粉はジャガイモのでんぷんが主流と...続きを読む

2008年の5月、静かな朝の上高地・大正池で撮られた一枚の写真。雪をまとった穂高連峰が湖面に映り込み、水中から伸びる立ち枯れの木々が幻想的な風景をつくり出していました。この光景は、かつて多くの方の記憶に深く残る、上高地を象徴する風景でした。しかし、年月とともに...続きを読む